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商標権の存続期間は10年ですが、更新登録により10年ごとに更新することが出来ます。
登録維持の為には、期限の管理が必要です。 |
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1.商標権の存続期間の意味 |
商標権の存続期間は、特許権や意匠権の存続期間と本質的に異なる性格を持っています。特許権や意匠権は独創的な発明や美的創作を奨励して産業の発達に寄与させる一方、いわばその代償として一定期間、その発明や美的創作を独占的に利用する権利を与えようとするものです。そして、特許権や意匠権の存続期間は、発明や美的創作の意欲を引き出す魅力ある独占的利用期間と、発明や創作が次の発明や創作の基礎として公共の利用に供されるまでの期間との兼ね合いで決められるのです。言い換えれば、私益と公益のバランスを考えて決められなければなりません。
一方、商標権は、自己の商品を他人の商品と識別する為に標章として使用される固有の商標を登録して、適正な取引秩序を維持しようとするものです。そして商標は長年使用されることにより、信用を蓄積し、顧客吸引力を得ることになります。
この様に商標は元来、識別標章ですから、進歩に進歩を重ねるという性質のものではありません。従って、商標権者に一定期間独占的に使用された後は、公共に開放しなければならないという理由がありません。かえって公衆にとっても、商標権者が登録商標を独占している方が、その商標によって商品の出所を知ることができるという利点があります。
この様な理由から、登録商標を使用する限り、商標権は半永久的に保護しても差し支えないことになります。
その一方で、一度登録すれば、使わなくなっても永久的に登録が維持されるとすると、後発の者の商標選択範囲が不当に狭くなるという弊害が起こります。
そこで商標法は、商標権の存続に期間10年という区切りをつけて、その登録商標を必要とする限り、何度でも更新出来ることにし、かつ、不要になった商標については更新を行わないことで、権利を消滅させることにしました。 |
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2.商標権の消滅と商標の行方 |
商標は、進歩に進歩を重ねる性質のものではない為、ある商標について商標権が消滅した後は、誰でもその商標と同一または類似の商標を登録することが出来ます。
つまり、商標権者Aが存続期間の更新を忘れた為に商標権を消滅させてしまうと、第三者Bが同一または類似の商標について新たに登録を受けることが出来ます。そして、更新を忘れた旧商標権者Aは、以後、自己の商標を使用すると、新たな商標権者Bの権利を侵害することになってしまいます。
もちろん、商標権者Aも、商標権を失った後、新たに出願すれば、再度、登録を受けることも可能です。しかし、その新たな出願より早く同一または類似の出願があった場合は、登録を受けることが出来ません。 |
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3.商標権の更新時期の管理 |
商標権は10年毎に更新しないと、自動的に消滅してしまい、再登録できるかどうかわかりません。従って、使用中の商標や使用する予定の商標など、登録の維持を必要とする登録商標については、更新手続きの期間を逃さない様に厳重な期限の管理が必要です。 |
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4.更新登録申請期間 |
商標権の存続期間の更新の為には、一定の期間内に更新登録の申請をしなければなりません。
更新登録申請期間は、現行の存続期間の満了前、6ヶ月の期間です。
その期間に申請手続きを行えなかった時は、その期間の経過後6ヶ月内に更新登録申請を行うことが出来ます。但し、この場合は、更新登録料と同額の割増料を納付しなければなりません。
また、申請人に責任のない理由により、存続期間満了後6ヶ月の期間にも更新申請手続きを行えなかった場合は、さらにその期間の経過後6ヶ月内に更新登録申請を行うことが出来ます。この場合も、更新登録料と同額の割増料を納付しなければなりません。 |
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